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家族性高コレステロール血症

家族性高コレステロール血症

家族性高コレステロール血症とは 家族性高コレステロール血症の人はどれくらいいるの? 家族性高コレステロール血症を診断する意義は? 家族性高コレステロール血症はどうやって診断するの? 家族性高コレステロール血症の治療は? まとめ

家族性高コレステロール血症とは

みなさんは、コレステロールの値が高いと指摘されたことはありますか?

 

ご自身がいわれたことはなくても、ご家族やご友人がコレステロールが高いと言われた、またコレステロールを下げる薬を飲んでいる、ことがあるかもしれません。

 

テレビでときおり、「コレステロールが高くて、血液がドロドロの状態です」という番組を見ることもあり、コレステロール値が高いと良くないことは多くの方がご存知です。

 

コレステロール値が高いとまずみなさんが思い浮かべるのは、

 

「食生活が悪い」や「運動不足」という、生活習慣が悪いため、コレステロールの値が高くなってしまうと考えているかたが大半だと思います。

 

しかし中には、「コレステロールが高い体質」のかたがいます。このような理由でコレステロールが高い病気を「家族性高コレステロール血症」といいます。

 

家族性高コレステロール血症の人はどれくらいいるの?

家族性高コレステロール血症は200-300人に1人ほど、という報告があります(1,2)。そこまで有病率が高い疾患というわけではないですが、決して稀な疾患ではありません。

家族性高コレステロール血症を診断する意義は?

生活習慣による高コレステロール血症では食事や運動療法が第一選択であり、それによりコレステロール値が大きく改善することも期待できます。しかし家族性高コレステール血症状である場合、運動や食事療法だけではコレステロールの改善効果はあまり期待できません。

 

家族性高コレステロール血症のかたは心不全、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞など、血管疾患にかかってしまう可能性が普通のかたより高く(3)、そのリスクを下げるためには薬物療法が基本となるため診断する意義が高いです。

家族性高コレステロール血症はどうやって診断するの?

家族性高コレステロール血症は遺伝性の疾患であり、

 

  • 悪玉コレステロールが未治療で180mg/dL以上
  • 手の裏側、肘、膝に黄色いできものがあるまたはアキレス腱の肥厚がある
  • 親や兄弟が家族性高コレステロール血症と診断、または男性であれば55歳未満、女性であれば65歳未満で狭心症または心筋梗塞と診断されている

 

上記の①から③のうち、2つ以上の項目を満たすと家族性高コレステロール血症と診断されます。

 

この他にも

 

✔︎ 悪玉コレステロールが250mg/dL以上

✔︎ 悪玉コレステロールは160-179mg/dLだが、②と③をみたす場合

 

家族性高コレステロール血症を強く疑い、治療が必要です。

 

この中でキレス腱の肥厚に関してはエックス線撮影または超音波検査で診断が可能です。

 

上記の診断基準を考慮し、当院では必要な患者様には積極的に、体への侵襲がほとんどない、アキレス腱の肥厚を超音波検査検査で診断します。

 

 

 

超音波検査で

 

男性は6.0mm

女性は5.5mm

 

以上でアキレス腱の肥厚、と診断します。

 

アキレス腱の超音波検査は侵襲がほとんどなく、時間も10分程度で手間もたいしてかかりません。

家族性高コレステロール血症の治療は?

コレステロールの値がもともと高いため、運動や食事療法、減量では十分に効果がえられないことが多く、心筋梗塞や脳梗塞の予防効果を得られるほどコレステロールを下げるには、薬物療法が中心となります。

 

薬物療法としては

 

①スタチン製剤を最大用量まで

②エゼチミブ

③PCSK9阻害薬

 

を1から3の順に使用し、コレステロールをチェックします。

 

これらの薬剤で効果が不十分である場合には特別な治療が必要となるため、専門病院へ紹介いたしますが、個人的にはそこまでの治療を要した患者さんはこれまで経験したことはありません。

まとめ

家族性高コレステロール血症はそこまで珍しい病気ではなく心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高いにもかかわらず、医師で認識不足のため診断されていないかたもいると思われます。

当院では家族性高コレステロール血症をしっかりと診断し、適切な治療へとつなげていきます。ご質問がある方はお気軽に問い合わせてください。

参考文献

1: Worldwide Prevalence of Familial Hypercholesterolemia: Meta-Analyses of 11 Million Subjects. J Am Coll Cardiol. 2020 May 26;75(20):2553-2566.


2: Mabuchi H, Nohara A, Noguchi T, Kobayashi J, Kawashiri MA, Tada H, Nakanishi C, Mori M, Yamagishi M, Inazu A, Koizumi J; Hokuriku FH Study Group. Molecular genetic epidemiology of homozygous familial hypercholesterolemia in the Hokuriku district of Japan. Atherosclerosis. 2011 Feb;214(2):404-7.


3: Tada H, Kaneko H, Suzuki Y, Okada A, Takeda N, Fujiu K, Morita H, Ako J, Node K, Takeji Y, Takamura M, Yasunaga H, Komuro I. Familial hypercholesterolemia is related to cardiovascular disease, heart failure and atrial fibrillation. Results from a population-based study. Eur J Clin Invest. 2024 Feb;54(2):e14119.


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