院長ブログ1:悪玉コレステロールを170→100へ。実体験から学んだ「食事療法と運動療法を続けること」の本当の難しさ
2025.11.13
こんにちは。院長の安藤です。
今日は、悪玉コレステロール(LDL) の改善について、私自身の体験をもとにお話ししたいと思います。
実は数年前、私の LDLコレステロールが170 mg/dL にまで上昇したことがありました。
医師として生活習慣病の指導をする立場でありながら、数字を見た瞬間はさすがに焦りました。
■ 私が実践した「LDLコレステロールが下がる食事」
当時、私が重点的に取り入れた食材は以下の4つです。
● ① シメサバ(EPAが豊富で動脈硬化予防に役立つ)
青魚に含まれるEPAは、中性脂肪・悪玉コレステロールを下げる効果 があり、心血管疾患予防にも有効です。
● ② ブロッコリー(食物繊維・抗酸化成分が豊富)
食物繊維はコレステロールの排泄を促し、食後血糖の上昇も穏やかにします。
● ③ オリーブオイル(悪い油を良い油に置き換える)
動物性脂肪を控え、オレイン酸 の多いオリーブオイルに置き換えることでLDLが改善しやすくなります。
● ④ 納豆(大豆たんぱく+発酵食品という最強コンビ)
大豆たんぱくはコレステロール改善に有効で、腸内環境にも良い影響があります。
■ 食生活の見直し+週3回の運動で、3ヶ月後に“170 → 100”へ
食事改善とあわせて、週3回の軽い運動 を続けました。
ランニングや速歩きなど、“無理なく続けられる範囲” の運動です。
その結果――
3ヶ月で LDL が 170 → 100 に改善。
生活習慣病の指導でお伝えしている数値変化を、私自身が体験できた瞬間でした。
■ しかし…その後に起こった“リバウンド”
順調に下がったものの、忙しさや気の緩みもあり、
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間食が増える
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運動回数が減る
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野菜の摂取量が下がる
といった小さな乱れが積み重なり、数ヶ月後には LDLが130 mg/dL まで再上昇してしまいました。
正直に言うと……
医師である自分でも、食事療法を「続け続ける」ことは本当に難しい。
そう感じました。
■ 「食事療法が続かない」という患者さんの気持ちが、前よりもよくわかるように
診察でよく耳にする言葉があります。
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「間食がなかなかやめられません」
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「野菜中心の生活が続きません」
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「運動しなきゃと思うけど時間がない」
これは、誰にでも起こる“普通のこと” です。
私も同じ経験をしていますし、
食事療法・運動療法は「やる気」ではなく、
習慣化できる環境づくり が一番大切です。
患者さんができていない部分を責める必要はありません。
むしろ、
“できているところを一緒に褒める”
“続けられる小さな工夫を一緒に考える”
ことが大切だと実感しました。
■ LDLは「少しの積み重ね」で改善するが、「少しの乱れ」ですぐ戻る数字
悪玉コレステロールは、
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食事
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運動
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睡眠
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体重
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ストレス
といった生活の影響を強く受けます。
そのため、
一気に頑張るよりも、“細く長く続ける” ことが改善のカギ です。
私の経験を踏まえて患者さんにお伝えしたいのは、
・完璧にやらなくてもいい
・続けられる範囲の努力でちゃんと効果が出る
・やめてしまったらまた再開すればいい
ということです。
■ コレステロールや生活習慣病でお悩みの方へ
悪玉コレステロール(LDL)が高い状態を放置すると、
動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞のリスクが高まります。
「最近 LDL が高めと言われた」
「食事療法をやってみたいけれど自信がない」
「運動が続かない」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
当院では、
“できる範囲で改善し、続けられる方法を一緒に考える”
ことを大切にしています。